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サーモグラフィープロジェクション

熱情報を媒介する特殊な波長域である遠赤外領域の光を捉えることのできる赤外線カメラは、対象物体の温度情報を非接触で2次元画像として可視化することが可能であり、これまで検査・医療・災害救助といった分野での利用がなされてきている。しかしながら、ユーザインタフェースの観点から見ると、赤外線カメラによって撮影された温度分布が、対象物体のどの部分と対応しているのかを、その熱画像のみから認識することは困難であるという問題が存在する。温度分布と対象物体との幾何学的対応を把握するには、ユーザは熱画像と対象物体との比較を行わなければならない。このため、多くの赤外線カメラには液晶モニタのような画像提示装置が取り付けられており、ユーザは対象物体と熱画像を交互に見て比較することでようやくその対応を把握することが可能となっていた。筆者らは、このユーザインタフェース上の問題を解決する、投影型複合現実感(MR:Mixed Reality)技術を用いた熱画像の新たな可視化手法を提案する。提案手法ではまず赤外線カメラから取得された熱画像に幾何学補正(位置合わせ)処理・色補正処理を施す。次にこれをプロジェクタから直接実世界の対象物体に投影し光学重畳することで、ユーザに対象物体の温度分布情報を提示する。これによって、「ディスプレイ空間」(熱画像を提示する空間)と「対象空間」(対象物体の存在する空間)とが一致し、実対象物体上でより直観的にその温度分布を把握することが可能となる。

身体への投影(擬似カラー) 身体への投影(輝度変調) 身体への投影(チェッカパターン)
予感研究所展示 絵具チューブへの投影
(中身が空のものだけ高温)
壁への投影
(鉄骨の部位だけ高温)
対面協調作業環境
(ノート型PCへの温度分布投影)
温度分布投影システム
(プロジェクタ・IRカメラを同軸化)
身体へ投影するシステム
(ミラー有)

Publications

  • Daisuke Iwai and Kosuke Sato, "Optical Superimposition of Infrared Thermography through Video Projection", Infrared Physics & Technology, Vol.53, No.3, pp.162-172, 2010.
  • 岩井大輔, 佐藤宏介, "投影型複合現実感技術を用いた熱画像可視化," 可視化情報学会論文集, Vol. 27, No. 9, pp. 69-76, 2007.
  • 岩井大輔, 佐藤宏介, "ThermoReality: 実環境に偏在する熱現象を対象とする投影型エデュテイメントシステム", 日本バーチャルリアリティ学会論文誌, Vol.11, No.4, pp.569-572, 2006.
  • 岩井大輔, 佐藤宏介, "ThermoPainter & ThermoReality: 熱画像を用いた投影型複合現実感", 画像ラボ, Vol.17, No.4, pp.27-30, 2006.

Exhibition