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高コントラスト投影のためのフォトクロミズムを利用した動的反射率制御

本研究では、スクリーンの反射率を時空間的に制御することで、プロジェクションディスプレイのコントラストを向上させる手法を提案する。明るい映像を表示する箇所の反射率を高く、暗い映像を表示する箇所の反射率を低く制御することによって、通常の単一白色のスクリーンを使用するときと比べて、投影結果のコントラストをブーストさせることができる。原理的には、プロジェクタ自体のコントラスト比と反射率変調されたスクリーンのコントラスト比の積のコントラスト比を実現することができる。特に、環境光が存在する場合は、プロジェクションシステムでは映像の黒浮きが顕著になるが、提案手法を使うことでそれを抑えることが可能となる。反射率変調には、紫外線を照射すると発色するフォトクロミック化合物を使用した。同化合物をスクリーン上に塗布し、背面に設置した紫外線LEDアレイを用いることで、反射率の時空間変調を実現した。プロトタイプシステムを構築し、実験を行った結果、通常の白いスクリーンに映像を投影するよりも、提案手法のほうが高いコントラストの映像を表示できることを確認した。屋外でのデジタルサイネージや没入型ディスプレイ等、従来プロジェクタのコントラスト低下が問題となっていた分野での応用を想定して研究を進めている。

提案手法の原理: (a) 通常の単一白色スクリーンに映像が投影される場合,表示画像のコントラストはプロジェクタ自体のコントラストと同値となる; (b) 提案手法によりフォトクロミック化合物をスクリーンに塗布し紫外線照射することで反射率を時空間変調すれば,表示画像のコントラストは,プロジェクタのコントラストとスクリーンのコントラストの積となる.

試作した実験システム: (a) 全体像, (b) スクリーンと紫外線LEDアレイを横から撮影, (c) スクリーンを取り外して紫外線LEDを前から撮影.

実験結果: (a) 表示目標画像, (b) 単一白色スクリーンへの投影結果, (c) 提案手法での投影結果; (d)(e)(f) (a)(b)(c)それぞれの疑似カラー表示.

Publications

  • Daisuke Iwai, Shoichi Takeda, Naoto Hino, and Kosuke Sato, "Projection Screen Reflectance Control for High Contrast Display using Photochromic Compounds and UV LEDs," Optics Express, Vol. 22, No. 11, pp. 13492-13506, 2014. [open access]
  • Naoto Hino, Daisuke Iwai and Kosuke Sato, "Dynamic Reflectance Control of Photochromic Compounds for 3D High Dynamic Range Display," CVPR 2012 Workshop for Computational Cameras and Displays, 2012. (No publication)
  • 日野直登, 岩井大輔, 佐藤宏介, "フォトクロミック材料を用いた投影面の反射率変調による高コントラスト投影表示," 電子情報通信学会技術研究報告, Vol. 111, No. 379, pp. 145-150, 2012. (第36回複合現実感研究会)
  • 日野直登, 岩井大輔, 佐藤宏介, "フォトクロミズムを利用した投影面の反射率変調による高コントラスト投影表示," 電子情報通信学会総合大会講演論文集, p.238, 2011.